(アイナ・ジ・エンド編の続き)
なにはともあれアイナ・ジ・エンドが強烈で彼女に引っ張られる形で次々と曲を漁る旅が某日深夜に急遽始まった。
楽曲のクオリティがやたら高い。
まずはオフィシャルにあるPVを一通り見る。オーケストラを見た時はアイナに目が釘付けになり正直他のメンバーがうっすらとしか見えていなかったけど、他メンバーもなにやら危うげな雰囲気がある。が、その前にこの時点で一番衝撃だったのは楽曲の良さ。
最初に聞いたオーケストラからして、普通に歌謡曲としてめちゃくちゃ良い曲で、自分が一番熱くなったのがサビの部分のアレンジ。
サビを一巡歌ったところで間奏かなと思ったらもう一度まったく同じサビを繰り返すんだけど、1回目のアイナ・ジ・エンド歌う部分と2回目のセントチヒロ・チッチが歌うメロディは同じ。ただしバックが1回目は盛り上がり直前のブレイクになっていて、この畳みかけがあるので2回目のサビがものすごい勢いで殴ってくる。曲展開の手法としては珍しいわけじゃないんだけど、ここまで効果的になるのかという驚きがあった。
その他の曲も「プロミスザスター」「星が瞬く夜に」「本当本気」「MONSTER」など人気がありそうなのを次々と見ていったけどどの曲もやたら良い。基本的にはロック寄りで、エッセンスとしては王道の歌謡曲パターンに加えてブルーハーツやマキシマムザホルモンっぽさを感じる箇所もあったりした。まあとにかくエモさ全開。
細かく聞いてもど真ん中のメロディラインを支える細かいアレンジがほんとよくて、ちょっとしたイントロのフレーズとか楽器のバランス、声質のコントロールとかかなりかっこいい。ここにアイナ・ジ・エンドの歌が乗るとそこらへんのガールズバンドより全然かっこいい。アイドルソングがなんでもありになってきてアレンジが異様に凝ったものもたくさんあるというのは知ってはいるんだけど、BiSHの曲はどれもただの力任せではなく、まとめ方がすごく丁寧でこの辺は編曲の力も大きいのではと想像している。
BABYMETALにハマってみたりアイドル曲でも好きだなと思うのは今までもいくつもあるんだけど、アルバムまるごとをiPhoneのプレイリストに入れたアイドルグループははじめてかもしれない。
メンバーがなんか濃い。演出が謎。
初期段階ではアイナ・ジ・エンドが強烈すぎてちょっと薄く見えた他メンバーだったけど、オフショットなども含めて映像を漁っているとそれぞれのキャラがだいぶ見えてきた。中でも気になったのがモモコグミカンパニー。小さくて顔が童顔なので最初失礼ながらアホの子かな?とか思ってたけど喋るとすごかった。
どうすごいかを説明するのは難しいけど頭は良さそうなのに言ってる事がアホっぽくてなんか底知れないものを感じる。言葉のチョイスとか反応がいちいち面白く、イエノミにBiSHが出てる回を見てたらけっこうな話がオチた瞬間、つまりみんなでドッと笑うところ、で一人リアクションもなく欲望のままにササっとあたりめを取ってる姿には感動すらした。こういう人は意外と人の本質をグサっと見抜くようなところがあると思う。
メンバー共通して感じるのは言い方は悪いが暗さで、スクールカーストでいえばトップグループにはいないんだろうな、でも放課後の部室とかで少人数で物凄い盛り上がってそうな感じ。
ライブ映像を見て驚いたのは本人達が客席にダイブしてること。さすがにこれはやばいのではと思ったけど映像を見る限り前線のファンは丁寧に扱ってる感じもあった。清掃員だけに丁寧なのかもしれない。にしてもこのご時勢これをよくやらすわ、そして本人たちもよくやるわと思う。avex傘下になって以降は禁止するっぽいけど、そりゃそうだよ。
どうも色々調べてるとBiSHというのは元々BISというグループがあってそこから派生?したものらしい。で、BISというのは服脱いでみたりマラソンしてみたり無茶をしまくることを売りにしてたようで、その流れを多少汲んでいたものと思われる。
苦労しているんだろうな。なんかアイドルはとにかく体張って頑張らないとみたいなのはあまり好きじゃないんだけど、AKBなんかは全員我が強そうに見えちゃうしモモクロとかは頑張りすぎで見てて辛いし、でもBiSHの場合はまあいいすよやってみますよみたいな謎のフラットな空気感があって、そこらへんも好印象に繋がってるのかもしれない。これからもっと人気が出て忙しくなるとまた変化もあるのかもだけど。
後編は雑な内容になってつまりはアイナ・ジ・エンドが良かったんだなというのがよくわかるけど、グループ全体としてのインパクトも相当なものだったのは確か。